予防接種の申し込みについて

 当院では、予防接種を予約制で行っています。
希望される方が多いため予約は出来るだけ早い時期にお願い致します。
インフルエンザ予防接種の開始時期や予約受付開始時期は院内掲示やi-Ticket、ホームページでお知らせします。
接種当日は「母子手帳」と「予防接種予診票」を忘れずにご持参下さい。
電話での予約は:℡ 0749(28)8870で受け付けています。

予防接種説明会について

 赤ちゃんの誕生を新たに迎えられたお母さんを対象に2ヶ月に1度、赤ちゃんが受けねばならないワクチンおよび受けることが望ましいワクチンについて説明し、各ワクチンの接種スケジュールを解説します。
 開催日時や予約方法は院内掲示やi-Ticket、ホームページでお知らせします。

予防接種とは

 一度はしかにかかると二度はかからないように、われわれの体には病気にかかると防衛方法を記憶して、同じ病気にかからない様にするシステムが備わっています。これを免疫と言います。病気を起こさずにこの免疫を獲得出来る様に工夫したのが予防接種です。予防接種は主にワクチンを注射することによって行われます。病気を起こす細菌やウイルスに備えて予防接種を行っておくことで、実際に細菌やウイルスが侵入してきても、免疫による防衛反応が働き病気にならずに済みます。
 一昨年風疹が流行し、免疫を持たない妊婦さんが感染したため先天性風疹症候群(目および耳、心臓に障害が起きます)になった赤ちゃんが増え、問題になりました。30−40歳代の男性が風疹の予防接種を受けていなかったために、この年代を中心に風疹の流行が拡大し、妊婦さんにも感染して問題となりました。風疹の予防接種を済ませておけばこのような大規模な流行は無く、先天性風疹症候群の赤ちゃんも増えなかったと考えられます。予防接種はごく稀に重篤な副反応がみられますが、ワクチンによる予防効果は非常に大きいので、接種を受けることで本人だけでなく、多くの人々を病気から守ることが出来ます。
 赤ちゃんは胎盤や母乳を通じてお母さんからもらった免疫で守られていますが、この免疫は生後3ヶ月頃より徐々に無くなります。このためヒブや肺炎球菌ワクチン接種を生後2ヶ月頃より始め、お母さんからもらった免疫がなくなる前に免疫を獲得しておくことが大切です。

定期接種・任意接種について

 わが国において行われている主な予防接種は、予防接種法に基づいて国の責任のもとに行われる定期接種と希望すれば個人の責任のもと有料で受けることが出来る任意接種に分かれています。
 定期接種として四種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ不活化ワクチン)、三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)、二種混合(ジフテリア・破傷風)、不活化ポリオ、ヒブ、肺炎球菌、BCG、麻疹・風疹混合(MR)、日本脳炎、子宮頸癌ワクチンが接種されています。三種混合ワクチンおよび不活化ポリオワクチンは四種混合ワクチンに切り替えられ、いずれはなくなります。平成26年10月からは水痘ワクチン(水ぼうそう)も定期接種に加えられることになりました。
 現在、任意接種としては水痘、おたふく、インフルエンザ、B型肝炎、ロタウイルスワクチンが接種されています。
生ワクチン・不活化ワクチン
 ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチン、トキソイドの三種類があります。
 ①生ワクチンは生きている細菌やウイルスの毒性を弱めたワクチンで生体に接種された後は自然感染と同様に増殖(軽い感染)し、自然感染と同様な免疫を獲得することが出来ます。1回の接種で強固な免疫を長期に獲得出来ると言われてきましたが、最近は2回接種する事が推奨されています。(予防接種の普及に伴い感染する機会が減り、自然に免疫強化されることが減ってきたためです。)生ワクチンにはロタウイルス、BCG、麻疹・風疹混合(MRワクチン)水痘、おたふくかぜワクチンがあります。生ワクチンを受けた場合27日以上経てば他のワクチンを接種できます。
 ②不活化ワクチンは細菌やウイルスを殺して免疫を作るのに必要な成分を取り出し、毒性をなくして作られたワクチンです。生ワクチンとは異なり生体に接種されても増殖しませんので十分な免疫を得るためには数回の接種が必要です。
 また、免疫の持続期間が短いため、効果を保つためには一定期間後に追加接種が必要です。不活化ワクチンには四種混合(DPT+iPV)、三種混合(DPT)、二種混合(DT)、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんワクチンがあります。不活化ワクチンを受けた場合6日以上経てば他のワクチンを接種できます。
③トキソイドは細菌の持つ毒素をとりだし、毒性をなくして免疫原生(免疫を作るに必要な部分)だけを残したもので、不活化ワクチンの一種です。トキソイドにはジフテリア、破傷風などがあります。トキソイドを受けた場合6日以上経てば他のワクチンを接種できます。

予防接種のスケジュール

<定期接種>

Hibワクチン(へモフィルスインフルエンザb型ワクチン:アクトヒブ)

 インフルエンザ菌b型による感染症、特に髄膜炎、敗血症、蜂巣炎、関節炎、喉頭蓋炎、肺炎および骨髄炎に対する予防効果が期待出来ます。
 細菌性髄膜炎はお母さんからもらった免疫がなくなる生後6ヶ月以後急激に増え、低年齢児や体の弱い子ほど罹りやすく、重症化する傾向がありますので生後2ヶ月から開始することをお勧めします。同時接種は早く免疫を獲得出来、受診の回数を少なく出来ます。肺炎球菌ワクチンおよび四種混合ワクチン(ロタウイルスワクチンおよびB型肝炎ウイルスワクチン)との同時接種をお勧めします。
接種対象者は生後2ヶ月以上5歳未満
生後2ヶ月以上7ヶ月未満で接種を開始する場合:
初回免疫:3回、いずれも4〜8週間の間隔
追加免疫:1回、初回免疫後おおむね7〜13ヶ月後の間隔
 *追加接種は生後12ヶ月から開始する事で適切な免疫が早期に得られます。
生後7ヶ月以上12ヶ月未満で接種を開始する場合:
初回免疫: 2回、いずれも4〜8週間の間隔
追加免疫: 1回、初回免疫後おおむね7〜13ヶ月後の間隔
 *追加接種は生後12ヶ月から開始する事で適切な免疫が早期に得られます。
1歳以上5歳未満で接種を開始する場合:
初回免疫: 1回のみ

肺炎球菌ワクチン(プレベナー)

 肺炎球菌による感染症、特に髄膜炎、敗血症を伴う肺炎などに対する予防効果が期待出来ます。
 細菌性髄膜炎はお母さんからもらった免疫がなくなる生後6ヶ月以後急激に増え、低年齢児や体の弱い子ほど罹りやすく、重症化する傾向がありますのでヒブワクチンと同様、生後2ヶ月から開始されることをお勧めします。同時接種は早く免疫をつけたり、受診の回数を少なく出来ます。Hibおよび四種混合ワクチン(ロタウイルスおよびB型肝炎ウイルスワクチン)との同時接種をお勧めします。
接種対象者は生後2ヶ月以上5歳未満
生後2ヶ月以上7ヶ月未満で接種を開始する場合:
初回免疫: 3回、いずれも27日間以上の間隔
追加免疫: 1回、初回免疫の3回目より60日以上間隔をあける。
 *追加免疫は1歳から1歳3ヶ月での接種が推奨されています。
生後7ヶ月以上12ヶ月未満で接種を開始する場合:
初回免疫: 2回、いずれも27日間以上の間隔
追加免疫: 1回、初回免疫の3回目より60日以上間隔をあける。
 *追加免疫は1歳から1歳3ヶ月での接種が推奨されています。
生後12ヶ月以上24ヶ月未満で接種を開始する場合:
初回免疫: 2回のみ、60日間以上の間隔
生後24ヶ月以上6歳未満で開始する場合
初回免疫: 1回のみ
 四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ不活化ワクチン)三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)もしくは二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)
 ジフテリアおよび百日咳、破傷風、ポリオを予防するために行われる予防接種です。

第1期初回−3回: 生後3ヶ月から90ヶ月に至まで、標準的には3〜8週の間隔
で3回接種します。
標準的には生後3ヶ月から12ヶ月
出来ればBCG接種前に1期3回を済ませることをお勧めします。
第1期追加: 生後90ヶ月までで、1期3回終了後6ヶ月以上の間隔をおく。
標準的には1期3回終了後12ヶ月から18ヶ月
第2期(二種混合:DT): 11歳以上13歳未満
標準的には11歳に達した時から12歳に至まで(小学6年生)

 昨年度から四種混合ワクチンが導入されたため、新たに接種されるお子さんは全て四種混合を使用しています。三種混合ワクチンは三種混合で開始されたお子さんのみに使用し、追加接種が終わればなくなります。

不活化ポリオワクチン(iPV)

 ポリオを予防するために行われる予防接種です。
生後3ヶ月から90ヶ月に至までの間に4回

第1期初回−3回: 生後3ヶ月から90ヶ月に至まで、3〜8週までの間隔で3
回接種します。
標準的には生後3ヶ月から12ヶ月
第1期追加: 生後90ヶ月までで、1期3回終了後6ヶ月以上の間隔をおく。
標準的には1期3回終了後12ヶ月から18ヶ月

 なお、四種混合ワクチン(DPT+iPV)を受けた赤ちゃんは接種不要です。ポリオ不活化ワクチンを単独で接種されたお子さんが追加接種を終えられるとなくなります。

BCG

結核予防を目的に行われる予防接種です。
1回のみ
生後1歳未満
生後5−8ヶ月に受けることが勧められています。
ヒブワクチンおよび肺炎球菌、四種混合ワクチンを先に済ませ
る事をお勧めします

麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)

 麻疹および風疹を予防するために行われる予防接種です。

第1期: 生後12ヶ月から24ヶ月に至まで(2歳誕生日の前日まで)
第2期: 5歳以上7歳未満の者であって、小学生就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日まで(年長児の間)

日本脳炎ワクチン

 日本脳炎の予防を目的に行われる予防接種です。

第1期: 生後6ヶ月から90ヶ月に至まで、6−28日間隔で2回
標準的には3歳に達した時から4歳に達するまで
第1期追加: 生後6ヶ月から90ヶ月に至まで
(第1期終了後おおむね1年おく)
標準的には一期2回目より11ヶ月から13ヶ月の間に接種
第2期: 9歳以上13歳未満
標準的には9歳に達した時から10歳に達するまでの期間

水痘ワクチン

 水痘を予防するために行われる予防接種です。水痘は大部分良好に経過しますが、1週間前後保育園や幼稚園、学校を休む必要があります。

:予防効果を確実にするために、2回接種が必要です。
初回免疫: 生後12ヶ月以上
追加免疫: 生後18ヶ月以上2歳未満(初回接種後4〜12ヶ月)が望ましいとされています。(従来2回目の推奨接種期間を5歳以上7歳未満とされてきましたが、今回18ヶ月以上2歳未満に変更されました。)

子宮頸がんワクチン

 子宮頸がんの予防を目的に行われる予防接種です。このワクチンによりかなりの部分をカバーできますが、より確実な予防には定期検診が必要です。
 現在4価のワクチン(ガーダシル)と2価のワクチン(サーバリックス)の2種類のワクチンがあります。
小学6年生から高校1年生に相当する女性
ガーダシル(4価ワクチン)
    :3回接種
     1回目接種2ヶ月後に2回目を接種し、2回目接種4ヶ月後に
     3回目を接種
サーバリックス(2価ワクチン)
    :3回接種
     1回目接種1ヶ月後に2回目を接種、2回目接種5ヶ月後に
     3回目を接種

<任意接種>

ロタウイルスワクチン

 乳児冬期下痢症や白痢などと呼ばれるウイルス性胃腸炎を予防するためのワクチンです。乳幼児期に初めてかかると最も重く、頻回の下痢のため脱水となり入院となる事が少なくありません。腸重積症の合併を減らすため遅くても生後14週までに開始し、34週までに終える必要があります。
 現在1価ワクチン(ロタリックス)と5価ワクチン(ロタテック)の二種類のワクチンがあります。
ロタリックス(1価ワクチン)
   2回経口接種
   生後14週までに第1回目を、4週後に第2回目を経口接種する。
ロタテック(5価ワクチン)
   生後14週までに第1回目を、4週後に第2回目、さらに4週後に
   第3回目を経口接種を行い、生後36週までに終了する。
   ヒブおよび肺炎球菌ワクチン(四種混合ワクチン)との同時接種を
   お勧めします。

B型肝炎ウイルスワクチン

 B型肝炎を予防するための予防接種です。幼若児が感染するとキャリア化する(症状はないが、肝臓でウイルスが生き続ける状態)可能性が高いと言われていますので早期の接種をお勧めします。
   3回接種 
   第1回接種後4週目に第2回目を、第2回目接種後5ヶ月後に第3
   回目を接種します。
    出来ればヒブワクチンおよび肺炎球菌ワクチンとの同時接種を
   お勧めします。 

おたふくかぜワクチン

 おたふくかぜを予防するために行われる予防接種です。おたふくかぜは髄膜脳炎を合併しやすいので注意が必要です。
    :予防効果を確実にするために、2回接種が必要です。
初回免疫:12ヶ月齢以上
追加免疫:2回目は5歳以上7歳未満が推奨されています。

インフルエンザワクチン

 インフルエンザの予防、重症化を防ぐ事を目的に行われる予防接種です。
 生後6ヶ月以上(インフルエンザ流行前に毎年接種されることをお勧めします)
    生後6ヶ月以上13歳未満
    : 2回、1〜4週間の間隔(4週間が推奨されています)
    13歳以上
    : 1回のみ