ぞうさんひろば

ぞうさん通信10月号
2018/09/21(金)

 朝晩涼しくなり、秋めいてきました。まだ、日中は暑く、運動会の練習には、なお熱中症の注意が必要かもしれません。
 全県的には感染性胃腸炎および、手足口病、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症が流行しています。手足口病およびヘルパンギーナはピークを越えたようですがなお多い様です。学校欠席者情報収集システムによると流行性角結膜炎および手足口病および手足口病、水痘、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、溶連菌感染症が多く報告されています。近隣ではなお、手足口病やヘルパンギーナが流行している様ですが、彦根地区では下火になってきています。
 当院においても感染性胃腸炎は相変わらず見られますが、手足口病およびヘルパンギーナは随分減りました。時々流行性耳下腺炎(おたふく風邪)もありますが、一方、乳幼児の間でRSウイルス感染症(細気管支炎)が例年より少し早く見られるようになり、増加の傾向があります。朝晩冷える様になり喘息が増えてきています。稀ではありますが、川崎病も見られ注意が必要です。

<RSウイルス感染症(RSウイルス細気管支炎)>
 RSウイルスは小児期の呼吸器感染症の主な原因の一つです。毎年秋から冬にかけて流行し、軽症の感冒様症状から重症の細気管支炎や肺炎などの下気道炎を起こしてきます。特に乳幼児では細気管支炎や肺炎を起こしやすく、重症となり入院することが少なくありません。潜伏期は2-8日と言われていますが、4-6日が多い様です。
 風邪のウイルスに罹り、鼻を垂らし、咳こんでゼロゼロと息苦しくなる赤ちゃん特有の病気です。冬場に多くみられます。発熱や鼻水・鼻づまり、咳などの風邪症状で始まり、次第に咳が激しくなり、ゼロゼロと苦しそうな息をする様になります。重症になれば入院が必要となります。6ヶ月未満の赤ちゃん(特に3ヶ月未満の赤ちゃん)が重症になり易い傾向があります。低出生体重児や心臓に疾患のある赤ちゃんも重症化し易いので注意が必要です。
 一般的には症状に対する治療が主なものです。重症になると酸素投与や点滴を行い、稀に人工呼吸器が必要となることがあります。
 息が苦しそうな時には背中をやさしくたたいたり、体を起こすように抱っこしてあげて下さい。鼻水・鼻づまりが強い時には鼻水を吸い取ってあげて下さい。特に哺乳直前に鼻水を吸ってあげると母乳やミルクが飲み易くなり、哺乳量が増すでしょう。母乳やミルクは1回量を少なくして、回数を増やして下さい。
部屋が乾燥しないように加湿器などを用い工夫しましょう。病状の進行を把握するため、主治医の指示に従い何回も受診して下さい。
 顔色が悪く、ゼロゼロやヒューヒューの音が強く息苦しそうであったり、胸や腹をペコペコさせたり、母乳やミルクの飲みが減ってきた場合は入院が必要となってきますので早い目に受診しましょう。
 患児との濃厚接触および分泌物に汚染された表面への接触により感染します。
予防のためには厳重な手洗いに勝るものはないと言われています。

<川崎病>
 主に4歳以下の乳幼児に起こる原因不明で、急性の熱性の病気です。この病気を最初に報告した川崎富作先生の名に因んで川崎病と呼ばれるようになりました。急な発熱で始まり、4-5日以内に川崎病の他の主要症状。
(以下に記した症状)が現れてきます。

①発熱
 高熱は抗生剤では下がらず、適切な治療が行われないと5日以上続きます。

②両側眼球結膜の充血
 白目の部分の血管が拡張し赤くなりますが、通常の結膜炎とは異なり目やにが出ません。

③口唇や舌の発赤
 はじめ唇は口紅をしたようにきれいに赤くなり、間もなく乾き、ひび割れが起こり、出血してかさぶたを作ります。口の中の粘膜は赤くなり、舌は苺状となってきます。

不定形発疹
 不定形と呼ばれる様に発疹は決まった形はとりません。また、一旦軽快していたBCGを接種した部位が赤くなってくることがあります。

⑤四肢末端の変化
 急性期は手のひらや足の裏が赤く腫れてきます(いわゆるテカテカパンパンの状態になります)。回復期になると手足の指先から模様に皮膚が剥けてきます。

⑥頸部リンパ節の腫脹
 一般には母指頭大から鶏卵大に腫れてきますが、細菌によっておこるリンパ節炎とは異なり、膿を持たず自然に小さくなります。
 発熱以外の症状はどのような順序で出てくるか決まっておらず、また全ての主要症状が揃う訳ではありません。従って、上記の症状が5つ以上揃えば川崎病と診断されますが、4つしかなくても心超音波検査などで冠動脈に障害が認められれば診断されます。
 重大な合併症は心臓を養っている血管(冠動脈)に炎症が起こり、動脈瘤が形成される事が一部のヒトに起こります。そのため、急性期から心超音波検査を繰り返し行われます。
 原因不明のため根本的な治療法はありませんが、冠動脈障害を防ぐためにガンマグロブリンの大量療法が行われ、炎症を抑えたり血栓形成を抑える(血管内に血液の塊を作らない)ためにアスピリンを内服するのが一般的です。
 心臓に後遺症が残らなかった場合、日常生活には特別な制限はありませんが、定期的に検診を受けるのが大切です。心臓に後遺症が残った場合、専門医による定期的な経過観察が必要です。
 ガンマグロブリンは予防接種による免疫物質の産生を妨げますので、ガンマグロブリン大量療法を受けた場合は、予防接種は6ヶ月間間隔をあけてください。