気管支喘息

 気管支喘息は、健康な子どもには影響を与えない様々な刺激に対して気道が必要以上に反応し、気道が狭くなり呼吸困難を繰り返す病気です。このような発作的な気道の狭窄は、気管支の筋肉の収縮、気道の粘膜のむくみ、痰や分泌物の増加などが絡み合って生じます。喘息発作時では特に呼気時(空気をはき出す時)に息を十分出すことが出来なくなるため呼気時間(空気をはき出すに要する時間)の延長がみられます。また、気道が狭くなるため空気の流れが乱れて喘鳴(ヒューヒューという音)が生じます。重症になると、呼気時の息苦しさが認められ、陥没呼吸がみられるようになります。
 喘息発作はダニや家塵、カビ、花粉、動物の毛やフケなどのアレルギーであることが多いのですが、感染や気候の変化、運動、大気汚染、煙、緊張、ストレスなどが引き金となることもあり、多くの因子が複雑に関与しています。
 症状は咳とヒューヒューとかゼロゼロといった音が出る呼吸で、息が苦しくなります。特に息を吐く時に苦しがります。痰もたくさん出る様になります。ひどくなると横になって寝られず、座った姿勢で呼吸するようになります。乳幼児は抱っこしてあげると楽になります。また、話すことも出来なくなります。顔色が悪くなり、手足が冷たくなり、脈が速くなります。このような症状が現れてきた場合は重症で、入院治療が必要ですので直ちに受診しましょう。
 対策は家塵、ダニ、カビなどの原因となるものが少ない生活環境の整備に努めます。ダニの温床となるカーペットや布製のソファー、ぬいぐるみは避けましょう。室内でのペットの飼育も止めましょう。禁煙は言うまでも無く、線香や香水なども注意が必要です。空気清浄機は空気中の原因物質を減らすのに有効です。寝室や子ども部屋、居間はよく掃除しましょう。冷暖房機のフィルターや吹き出し口はこまめに掃除し、暖房中は換気に注意しましょう。
 規則正しい生活を送り、日頃から体を鍛えるように心掛けて下さい。水泳は喘息の運動療法として最も有効と考えられています。
 発作が起きたら、衣服をゆるめ、楽な姿勢をとり、安静にします。水を飲むと痰が切れやすくなります。ゆっくり腹式呼吸をします。処方されている発作止めの薬を使って下さい。30分以上経っても治まらない場合は受診しましょう。発作の様子や飲んだ薬、薬を飲んだ後の様子など医師に伝えられるように記録しておきましょう。