ぞうさんひろば

ぞうさん通信8月号
2018/07/10(火)

 もう既に梅雨明けになった地域もあり、今年は祇園祭を待たずに梅雨が明けるようです。いよいよ夏本番です。熱中症に注意し、体調管理に万全を期しましょう。
 全県的には感染症胃腸炎および溶連菌感染症、手足口病が流行しています。
今のところヘルパンギーナは少ない様です。学校欠席者情報収集システムによると手足口病および水痘、溶連菌感染症、流行性耳下腺炎、流行性角結膜炎が多く報告されています。

<現在当院でみられる病気について>
1)手足口病
 一部の保育園および幼稚園で流行が始まっています。手足口病は乳幼児の間で流行するウイルスによる病気で、名前が示すように手のひらや足のうら、口の中に発赤を伴う小さな水泡(水ぶくれ)が出来るのが特徴です。手足口の他にもおしりや肘、膝にほ発疹が出来ます。現在流行している手足口病は1日前後高熱が出ることが多いようですが、発熱のないこともあります。手足の水疱はあまり痛がりませんが、口の中は痛がり食事が摂れないことがあります。原因となるウイルスは一種類だけではないので、以前に手足口病に罹ったことがある子でもまたうつることがあります。
 特効薬はありませんが、殆ど自然に治ります。熱に対しては熱冷まし、口の中の痛みに対しては痛みを和らげる薬を処方されます。
 口の中が痛い時には熱いものや塩辛いものも、酸っぱいものはしみますので避けましょう。また固いものは良く噛まなければならないため痛みが増すので控えましょう。高熱がなく、元気であれば入浴は差し支えありません。
 口の中の痛みのため水分が十分に摂れないと脱水症になり、点滴や入院が時に必要となります。頭痛が強く、吐き気がある場合には髄膜炎を合併した可能性がありますので早目に受診しましょう。

2)感染性胃腸炎
 感染性胃腸炎の大半はウイルス性で、稀にキャンピロバクター腸炎およびサルモネラ腸炎の様によ細菌による胃腸炎も見受けられます。
 ウイルス性胃腸炎は病初期に1日程度の発熱がみられることがありますが、数回の嘔吐や軽い下痢で軽快する軽症の例が多いようですが、症状が強く、下痢が長引く時は脱水に陥らないように注意が必要です。
 治療としては特効薬がありませんので、脱水に陥らないように水分をこまめに摂らせる事と家庭での食事療法が大切です。お茶やイオン飲料水(OS-1やアクアライト)などを摂らせましょう。おしっこの出が悪く、グッタリするような場合は直ちに受診しましょう。
 キャンピロバクターやサルモネラ等の細菌による胃腸炎も稀にみられます。
発熱や頻回の下痢、激しい腹痛が続く場合には細菌が原因である可能性があります。特に便に血液が混じる場合には医療機関に受診して下さい。
 治療としては抗菌剤を用います。食事療法および脱水予防もウイルス性胃腸炎と同様に重要です。

3)溶連菌連鎖球菌感染症
 以前ほど多くありませんが、溶連菌感染症の流行が続いています。発熱および咽頭痛、時に頭痛、腹痛をともなうA群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)による上気道の感染症です。体に発疹をともなうこともあります。治療はペニシリンを10日間服用します。抗生剤の服用ですぐに解熱しますが、途中で薬を止めると再発します。放置するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併することがありますので、早期にしっかりと治療しておくことが大切です。

4)水痘(水ぼうそう9
 小さな水泡がある赤い発疹が口の中や頭、全身に出ます。手足よりも体幹、おむつをしている乳児では特に尿のつく陰部に多く出ます。発疹は2-3日でピークとなり、その後乾いて黒いかさぶたとなり1週間前後で治っていきます。
 治療としては痒み止めの塗り薬や、飲み薬を処方します。年齢や症状によっては水痘ウイルスを直接抑える抗ウイルス剤を処方される事があります。
 黒いかさぶたが出来てきても熱が下がらない時や発疹が化膿してきた時、グッタリして元気がなかったり、フラフラして真っ直ぐに歩けない、座っていてもフラフラするときは受診しましょう。
 発疹が全て黒いかさぶたになり、医師の許可が出るまで保育園や幼稚園、学校は休ませて下さい。

5)流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
 ムンプスウイルスによる病気で、耳下腺や顎下腺(耳の下や顎の下)が腫れ、痛がるのが特徴です。顔がおたふくの様に腫れるため俗におたふく風邪と言われています。大抵は相前後して両側が腫れてきますが、片方だけのこともあります。熱は3-4日で落ち着きますが、発熱のない事もあります。
 特効薬はありませんので、症状に対処する治療が主になります。痛がる時には冷湿布も良いでしょう。
 腫れ始めてから5日間は人に感染する可能性がありますので学校や幼稚園、保育園は休ませて下さい。
 頭痛が強く、吐いたり、熱が5日以上続く時は髄膜炎を合併している事がありますので受診しましょう。また、稀に睾丸炎や膵炎も合併する事があります。さらに難聴の合併もみられますので、聞きづらそうにしていないかも注意して下さい。

6)アデノウイルス感染症(プール熱)
 夏場にプールを介して学童の間で流行するため「プール熱」と呼ばれていますが、夏以外にもみられ、プールに入らなくてもうつるアデノウイルスによる病気です。39℃以上の発熱が5日前後続き、喉が腫れて痛くなります。また、扁桃に白い膿様のものがよく見られます。咽頭結膜熱はこれらの症状に加え目が赤くなるのが特徴です。他に頭痛や吐き気、腹痛、下痢を伴うことがあります。
 治療としては特効薬がありませんので、熱や喉の痛みを抑える対症療法が主なものとなります。